アハアイナ なんばダイニングメゾン店★M・Kさん
地元では有名なお寿司屋さんの娘として生まれ、小さいころから働く両親の姿を見て育ちました。だから、飲食業に就くことは自然な流れだったんです。当時、家族で通っていた日本料理屋さんがあって、そこの女将さんにすごく憧れて。高校生になったらここで働こう!と決めていました。めでたく入社はしたものの始めは仕事の厳しさに泣く毎日で、修行だと思って通ってました(笑)。「3年働いてようやく口が聞けるくらいだ」と父に言われていたし、憧れの人を超えたかったんです。大学に入ってからは主に夜のシフトに入っていたんですが、こんな中途半端では女将にはなれないと思い、仕事一本に絞る決断をしました。好きなことをやっていてほしい、という父の想いが背中を押してくれたこともあります。
念願の女将になったときに環境が一変しました。私の意見であれば何でも通るようになったんです。そんな“ぬるま湯 ”が耐えられなくなって退職しました。指標は立場が上の人、ではなくてお客様であるべきだと思ったんです。
出産を経て、子育てと両立できる仕事を探していた時、出会ったのがなんば店のオープニングスタッフ募集です。それから約6年、ずっとここで働いています。飲食は「お客様目線」が基本だと思うので、プロとして働く以上「まあ、いいか」という言葉は私の辞書にはないんです(笑)。なので、スタッフの「まあ、いいか」っていう態度や接客をみかけたら、上下関係なくすぐに話します。もちろん、フォローはしますよ。
私自身、出産を機に初めて本物の気配りに気付けたんです。それからは妊婦さんやお子様連れのお客様に接客を通してできることが増えました。最近、お腹にいたお子さんを連れてまた来てくれたり、入園祝いなどの節目に来てくれる方が増えて、一緒に成長を喜べる機会をいただけるんです。接客は形のないもので引き出しを多く持つほどに成長していきます。そこから得られる楽しさを一人でも多くのスタッフに伝えられたらいいですね。この間、娘が「大きくなったらママみたいになりたい」って言ってくれたんです。その言葉に恥じない仕事がしたいですね。
2015年12月8日取材