第1営業部 部長外塚 真彦
ジローレストランシステムに入社したのは今から30年前、24歳の時です。18歳で岩手から東京に出てきて、勤めた和食店では調理の下働きをしていました。高校を出て初めて経験した社会は厳しくてね。東京の人は皆こんなに働くのかと衝撃を受けました。結局、和食店は身体が持たずに1年くらいで 辞めて、それからはコックの仕事を中心に色んな会社を転々としました。
転機となったのが結婚です。新しい生活のために稼ごうと決めたので、一から頑張ろうと調理からサービス職に切り替えて、入社したのがジローです。六畳一間の生活から始まったんだけど、家に帰ると冷蔵庫に1本だけビールの中瓶が冷えてるんですよ。帰るのが遅いから女房子供は寝てるでしょう。寝顔を見ながらビールを飲んで「明日も頑張ろう」って。今思うと、家族のために働いていたのではなくて、逆に働く力を家族からもらっていたんですよね。
当時、僕のような高卒の人間が店長になれるとは思ってなくて。でもジローは、働けば働いた分だけ評価をくれる会社でした。最初に配属されたのが※フィオーレ多摩センター店だったのですが、3年くらいで主任にしていただき、7年目に店長になりました。社会人になったら、とにかく何かで一番になりたいという想いが強かったので、だったら「地域一番店」を目指そうと。そうすると、当たり前とされる接客ひとつ、清掃ひとつとっても「本当にベストか?」という疑問が沸いてくるんです。例えば、満席の時にお客様が来店されて「いらっしゃいませ。何名様でございますか?こちらにお掛けになって少々お待ちいただけますか?」という対応は、決して悪くはない。だけど、それが一番店の対応かと考えると違う。満席ならばお客様を立たせたまま話すのでなく、すぐにウェイティングシートにお座りいただいて、スタッフがしゃがみこめば良いんじゃないか、とかね。「当たり前」とされるすべてを疑いました。もちろん、同じ視点は僕自身にも向けていて、昨日より今日、少しでも成長できたかを自問する毎日でした。そうやって、1日、1日、店長という仕事に取り組む内に、気づけば営業部長になっていたな、という感覚です。
※マンマパスタの前身であるイタリアンレストラン
飲食店にとって、一番大事なのは人です。料理もサービスも人ありき、人を育てる事が使命です。じゃあ人を大事にするとは何かというと、ちゃんと叱ることだと思います。働いていて上司に叱られた。目を見たら、いっぱい涙が浮かんでいたとしたら、どれだけ真剣に考えてくれたんだろうと思いますよね。だから指導する側の人間は、自分の子供を育てるくらい本気で部下に向き合って欲しい。そうすれば皆、付いて来てくれるんじゃないかな。僕自身は最近やっと、自分だけが正しいわけじゃないと学びました(笑)。人それぞれ育った環境が違えば考え方も違いますね。これからは人の話を聞く人になろうと思います。
2017年4月5日取材
チャンスは全社員に、平等にある会社だと思います。
自分の背中を見せられるような仕事がしたいですね。