先輩社員インタビュー
仕事人に聞く!

Vol.27

お客様への愛情と食文化への情熱を料理に込めて
美味しい笑顔を生み出す仕事人

イタリアン第1営業部 シニア指導員高橋 和男

1968年11月生まれ。東京都出身。93年にリストランテ「シエナ」入社。94年にテレビ東京系「TVチャンピオン」の第一回イタリア料理人選手権でチャンピオンに輝く。04年にワンダーテーブル総料理長就任、14年には渋谷「アンティヴィーノ」総料理長に就任し、16年にジローレストランシステムに入社する。

初心に戻り、料理人としての信頼を得る

50歳を前に新しいチャレンジがしたいと思い、転職活動をする中でジローレストランシステムに決めました。開発の仕事も面白そうだと視野に入れていたのですが、アルバイト経験を含めると35年間培ってきたイタリア料理人としての看板は下ろすに忍びなく、私の料理を目指して来てくださるお客様の「次はどこのお店でシェフの料理が食べられるの?」という声に後押しされ現場に残ることを決めました。であれば、歴史ある会社でひとつの風になって、今いる20代の料理人の未来のためにできることがあればと。まずは新人として心を入れ替え、ジローで料理人としての信頼を得ることに集中しました。

ひと皿の完成度を決める“集中力”

25歳で初めて料理長を任されてから色々な店舗で経験を積みましたが、料理を作る時は今でも、ものすごい緊張感があります。当時はパスタ作りはなかなか任せてもらえないポジションだったので、悔しいから毎日、アーリオオーリオペペロンチーノを作って試食していました。そんなある日、雑音が消えて調理工程が流れるように進み、盛り付けた時にお皿が光って見えたんです。フライパンにオリーブオイルを注ぎ、ニンニクを入れ、鷹の爪を入れ、火にかける、というひとつひとつの工程に集中して雑音を消していくと、お皿が締まるんだと気づいた瞬間でした。加えて、味を一番に左右するのが、ベタですが愛情です。愛情と気持ちが込もった料理は食べてみると全く違います。部下に賄いを作らせるとすぐに分かりますよ。今日は緊張感を持って気持ちを込めて作ったか、自信があるからと投げやりに作ったか(笑)。料理人は、お客様に「美味しい」って笑顔で言ってもらえる夢がある仕事なので、ひと皿に集中して、愛情と気持ちを込めてお出ししています。

経験は時を重ねて積み上げる

若い子と話しているとよく聞くのが、早く独立して店を持ちたい、なんです。そういう時、いつも言うのが「生き急ぐな」です(笑)。今の店でひとつのセクションでもいいからトップになったのか、自分の答えが出せたのか。今の場所で出せない答えは、独立しても出ないですからね。同じ料理でも、100皿作った腕と1万皿作った腕が違うように、経験を重ねて色んな思いをするには時間が掛かります。会社にいれば仲間がたくさんいますし、料理を作るという経験も向こうから来てくれる。料理は食文化ですから、より多くのメッセージを打ち出していくならば個人店ではやれることが限られますよね。だから、しっかりと時間を掛けて飲食業界を盛り上げる枝葉になって、後進を育て、引退した時に初めて自分の経験を自分の店で出せば良い。私はそう思っています。

高橋シェフの料理は「ダノイ高輪店」でご堪能あれ!
『ダノイ高輪』
住所:東京都港区高輪4-7-6 品川東武ホテル1F
電話:03-3440-4424

2019年9月18日取材

仕事人に聞く

ジローはどんな会社だと思いますか?

努力したことを正当に評価してくれる会社だと思います。

目指す「仕事人」像を教えてください

背中を見せられる人間になりたいです。お客様も仲間も魅了できるような人を常に目指しています。

高橋シニアお勧めの映画

『砂漠のライオン』
公開:1981年 配給:松竹
尊敬する先輩に勧められて観た、ショーン・コネリーが主演の古い映画です。私が若くして調理長になった時、「この映画を観れば、男が長になることがどういうことかが分かる」と薦められました。男の生き座間を学んだ映画です。

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